こんなに安く家庭用ミニ筐体が買えるなんて

400ドル以下で家庭用に向けて発売されたクラシックゲーム3/4サイズアップライト筐体「ARCADE1UP」。2018年、当店でも海外で発表された後すぐにデモ機用として発注し、忘れかけた10月のとある日に入荷しました。(以前の記事はこちら
それから当店の店頭では、未だに国内未発売の「ARCADE1UP ストリートファイターII」がデモ展示されていたわけですが、月日は流れ、気がつけばARCADE1UP自体の価格も随分こなれてきました。

日本国内版のミニ筐体が、約4万5千円で新品購入できるなんて、とても幸せなことなのです。
(かつての駄菓子屋筐体やミニキュート筐体の高騰っぷりを体験した基板クラスタにとっては特に)

とはいえ本国アメリカでは、コストコやウォルマート店頭を中心に投げ売りと言える価格で放出されることもあったそうで。$299とか$249とかならまだわからなくはないのですが、2020年4月末には限定セールとはいえ$50という価格破壊状態まで出現。それはソフトの価格ですか? 在庫処分の投げ売りなのですか? と不安になったりもしますが、海の向こうの出来事は、そこはそれ。僕たちは現実と向き合い、出来ることを着々とこなしていくのです。

と言うわけで、とても魅力的な ARCADE1UP ですが、メーカーや代理店が想定した「部屋に80年代クラシック筐体レプリカがあると、オサレなんじゃない?」的な押し付け姿勢に対するアンチテーゼとして、ガチガチに改造した自分用ミニ汎用筐体を実現する姿勢を、当店は応援します。レッツDIY!

※改造は全て自己責任となります。ARCADE1UPのメーカー保証は切れる前提となりますので、くれぐれもご注意下さい。

コンパネを交換しよう

ARCADE1UPを最初に触って気がつくことは、レバーもボタンもアメリカンなアップライト筐体準拠だということ。日本のセイミツや三和で育ったゲーセンキッズ的な視点からすると、かなり違和感を感じてしまいます。
厚みのある合板に取り付けられたレバーは、必然的に柄が長くなりストロークが大きく、細かな操作には不向き。そのためレバー単体など部品だけを交換しても、根本的な操作感の改善には繋がりにくい状態。
ということで国内の筐体と同様の、金属板のコンパネが必然的に求められるのです。
各方面に協力を仰いだ結果、当店オリジナルのコンパネ板2種が出来上がりました。

1P専用 1L8Bパネル
1P/2P可能 2L12Bパネル

ステンレスコンパネ タイプ1/タイプ2

タイプ1 / タイプ2 各 9,680円(税込) こちらのページで販売中!

老舗メーカー様のご協力のもとで、薄型で堅牢なステンレス製コントロールパネルが出来上がりました。マニアの方も納得のレバー/ボタン配置になっているのではないかと思います。

ちなみに表面の青色は保護フィルムです。
剥がすときれいな鏡面加工となっています。

このまま使用するのも味がありますが、より手触りをよく高級感を出すために、カッティングシートで表面を覆います。(画像のカッティングシートもサービスで付属します)

側面は木製スペーサーなどで1cmほど浮かすのがよりオススメ。初回生産分には木製スペーサーもお付けしています。

全面を覆ったら、表側からボタン&レバー穴をカッターなどでくり抜きます。

これを、こうして… こうじゃ!

レバーは三和、セイミツの段差がない一般的なタイプであれば、そのままネジ穴が適合します。(セイミツの場合SEベース LS-32など)
ボタンは上部の4個が24Φ、通常ボタンが30Φと一般的な仕様です。

こんな感じで仕上げてみました。レバーマウント用の丸ネジも付属します。

さて、重要なのはコンパネをどの様に接続するか。そもそも、ARCADE1UPの改造の方向性として
 1.オリジナル環境を残したまま、コンパネだけ交換
 2.家庭用ゲーム機を接続できる汎用筐体化
 3.JAMMA筐体化
などのアプローチがありますが、ここでは3のJAMMA化も行える前提で、まず2の方向性で話を進めていきます。

ARCADE1UPに何でも映しちゃおうぜ

汎用映像入力ボード。HDMI/DVI/D-sub15ピン入力が可能

ARCADE1UP改造用 汎用映像入力ボード 3,938円(税込)

ARCADE1UPの2018年モデル第一弾、2019年第二弾及び日本国内市場に投入されているモデルの液晶の大半には「M170ETN01」系列の17インチパネルが採用されています。
1280x1024pixelの17インチ5:4液晶で、4:3ではなく、ちょっとだけ上下視野角が狭いといった特徴があります。

この液晶に対応した「汎用映像入力ボード」を、ARCADE1UPの内部ユニットとそのまま交換することで、ARCADE1UP自体を外部入力信号を表示する液晶モニターにすることができます。

※2019年後半からの(日本未発売)スターウォーズ、TMNT、参考出展されたバーガータイム筐体などでは別の液晶が使われているため、本製品は適合しません。購入前に必ずご自身のARCADE1UPが採用している液晶型番をご確認下さい。

縦画面タイトルのARCADE1UP筐体に、XBOX360をHDMI接続した例

ストIIなど、日本未発売の横画面タイトルの場合はあまり気になりませんが、縦画面タイトルのARCADE1UPの場合、TN液晶の特徴となる上下視野角不足が顕著です。(この場合縦なので、左右での色変化が激しくなります)
正面ではあまり問題はありませんが、横から覗き込んだ際には、ブラウン管のようにくっきりとした色にはなりません。
とはいえ、駄菓子屋筐体サイズに近い自分専用オリジナル環境が、ここまで手軽に構築できるとは、いい時代になったものです。

現在当店の店頭及び筆者の自宅環境では、JAMMA化、家庭用ゲーム機接続(XBOX360/PS3/他多数)などの操作が行えていますが、操作系の接続方法はいくつか種類があるため、最近の製品活用も含めて次回以降に続きます。

コントローラー接続などは以下次回以降