普通最初にこのアプローチを試す人が多いのでは?

この記事シリーズではこれまで、筐体に「RaspberryPi」「ネオジオミニ」「ネオジオCD」なんかを接続して遊ぶ内容でお送りしていましたが、普通に考えればPCを接続したい人が多いんじゃね? というご意見をいただきまして。

うん、そういえばすっかり失念していました。
というわけで改めまして、15KHz表示のアストロシティ筐体に、一般的なPCを接続してみましょう。

アストロシティにPCを接続という壁

この記事を読まれる多くのマニアの方々には、釈迦に説法、孔子に論語、猿に木登り、と、今更無粋な説明ではあります。はじめて自宅筐体の世界に触れる方々にも、広く門戸が開かれているステキな基板屋を目指しておりますので、復習がてらお付き合いください。

アストロシティ筐体は、バーチャファイター時代に市場投入されたJAMMA&中解像度対応の筐体ということで、モニタ側が対応する水平同期周波数は15KHz/24KHz。つまりPCのVGA解像度(640x480/31KHz)を表示することは出来ません。

それ以降のJVS筐体では31KHzが標準となったため、ブラストシティ以降では、そのままPCを接続することが容易となっています。
というわけで、アストロシティにPCを接続するにはひと工夫必要となるわけですが、要は二択。
・PC側の出力を15KHzで行う
・PC側の31KHz以上の出力を、15KHzにダウンスキャンする
このいずれかとなるわけですが、必要となるコストと動作させるソフトの汎用性の問題から、今回は後者のアプローチを取ります。

うん、実は今回もダウンスキャンコンバーターとかの販促記事なんだ。
秋葉原のKVClab.店頭と通販にて¥3,480円で好評販売中ですよ

VGA出力機器を、なんでも接続する

中華ダウンスキャンコンバータはとにかく安価な点が魅力です。
とはいえ、先にデメリットも説明しておくと、VGAダウンスキャンはインターレス表示の15KHzとなるため、走査線がくっきり目立った映像とはなりません。
ネガティブな表現をするならば、場末のゲーセンの片隅にあるエミュ筐体の、なんか違和感がある表示。
とはいえ、数千円で実現できるPC筐体という点を考えれば、及第点ではないでしょうか?

ダウンスキャンコンバーター GBS8100 VGA to CGA15KHz 3,480円

VGA3段15ピンの入力を、ボード右上の5ピン端子からCGA15KHzで出力します。このコネクタからの先端オープン配線が付属するので、JAMMAエッジコネクタにハンダ付けすれば、そのままアストロシティを始めとするJAMMA筐体にPCの画像を表示することが可能。

ちなみにこの5ピン配列のコネクタですが、中華コンバーターでは同配列の同コネクタを使用した製品が複数あります。
もう8年ほど前になりますが、アキバのaitendoさんで販売されていたダウンスキャンコンバーター「すーぱーRGBとらんすちゃん」なんかも同じ仕様なので、そのままGBS8100と入れ替えることも可能です。
あちらは周波数特性がGBS8100ほど広くはないものの、結構きれいな画質でステキな製品だったんですよね。

コントローラー部分に関しては様々なアプローチがありますが、前回ネオジオミニをアストロシティ筐体で操作できるようにした際に使用した、XBOX360コントローラー乗っ取りという方法も、PC環境での使い回しに親和性が高くてオススメです。

お菓子の紙箱に収められた「JAMMA筐体にPCとかXBOX360とかネオジオミニとか入れちゃおうぜボックス」
その見た目とは裏腹に、できることは夢いっぱい!

東方筐体にしてみる

えー、一番上の画像を見ていただくとおわかりの通り、2019年にもなってWindowsVistaのPCです。Core2Duoでメモリ2GB。
まあ、部屋に転がっていた余り物PCを筐体に押し込んだので、スペックが足りないのは致し方なし。
それでも(ちょっと…いやかなり古い)東方シューティングなんかも、こんな感じで普通に動きますね。
縦画面筐体の方は、東方側に縦画面パッチを当てることで、全画面縦シューとして動作させることも可能です。

STEAM筐体にしてみる

画像はSTEAMの「SEGA Mega Drive and Genesis Classics」。エイリアンソルジャーをアストロシティでプレイするのは、なんというか滾りますな。

STEAMでも軽めのゲームは低スペックPCでも動きます。しかし、この記事で実演していて言うのもなんですが、Vista環境は激しくオススメしません。
STEAMの自動アップデートにより、UIアップデートでDirect3Dエラーで動作しなくなったりします。この撮影後に撃沈しました。
まあ、いまさらVista環境を筐体PCに使用する理由は余り物活用以外に理由がないので、ここは素直にWindows7や10が動く環境で動かすのが吉と言えます。

8ビットPC筐体にしてみる

多くの8ビット機を接続するために、汎用の接続ハーネスをつくってみました。
MSXとかFM77AVなんかは 15KHzRGB出力そのものなので、VGA変換とかは当然不要。RGB21ピン入力とスピーカー接続用3.5mm端子、MSX用ATARI互換コントローラーケーブル、ささやかな同期分離回路を付けたものです。

MSX2をRGBケーブルで接続、ジョイスティック端子も接続して

グラディウス2、アーケード仕様。
このガクガクなスクロールが本家の味というものですが、気になる方はPSVita TVを使用して、HDMIからなんとか15KHzRGBで接続し、「沙羅曼蛇 PORTABLE コナミ・ザ・ベスト」収録の滑らかスクロール版グラディウス2をプレイするのが良いかもしれません。

FM77AVを接続して「シルフィード」
88にはないOPデモが多色表示でステキです。しかし、アストロシティのコンパネで操作はできるものの、最初にキーボードを接続しておかないとゲームがスタートできなかったという落とし穴が発覚。惜しい。

デジタル8色時代の名作マイコンゲーム「テグザー」。
アストロシティでのプレイはかなり新鮮です。
FM-7版なのは筆者の趣味です。

まとめ:いろんな方法があるよ

今回の記事では使用していませんが、アナログVGA15ピン3段端子に15KHz出力できる環境があれば、当店でも定番人気、ラズパイ内蔵のときにも使用した

VGA15KHz入力付きPCtoJAMMAアダプターカード ¥9,698-
を利用して、手軽に快適な環境を構築することも可能です。

うん、これ販促記事なんだ。なので変なステマじゃなくて、堂々とダイマするね

今回は基本PCとの接続を中心に記述しましたが、RGB出力可能なレトロゲーム環境であれば、割と容易に環境を構築することが可能です。
そのへんも需要があれば今後追々と記述していきますので、KVClab.でいろいろ買って応援してくれるといいのよ(包み隠さないダイレクトマーケティング感)