アラフォー、アラフィフなオールドゲーマーの家には大抵置いてあるアーケード筐体。
あなたはテーブル筐体派ですか? それともミニキュート? 駄菓子屋筐体?
かく言う私はアストロシティ派です。賃貸アパートの3階に、ひとり分解してボトルシップのように組み上げましたが、もう引っ越し回数も熟しているので慣れました。えぇ、楽しい毎日ですとも。
さて、そんな筐体持ちの皆様は、きっとあらゆる家庭用ゲーム機を筐体に入れて、内部RGB接続でクッキリ画面、操作性抜群でウヒョーッ! とか、PCを接続して「東方筐体〜!」 とか、楽しんでいたりするかと思います。
もちろん「アーケード基板至上主義! 家庭用なんて日和ったモンを入れるなんて粋じゃねェ!」という意見を否定するものではありません。
しかし、せっかくの自分の自由になる自宅アーケード筐体環境、そこに筐体があるのなら、あらゆるモノを内蔵してみるのも楽しいものです。
というわけで、今回の筐体DIYは
JAMMA筐体にRaspberry Piを入れて15KHzで接続しよう
がテーマです。まあ手持ちの筐体がアストロシティなので、必然的に15KHzがメインとなるわけですが、走査線を愛するオールドゲーマーとしては、なんとしても15KHzでいろいろ繋ぎたいわけです。
今回用意するものは
・アストロシティ筐体(15KHzが映るJAMMA仕様の筐体であれば何でもOK)
・Raspberry Pi model 3B+ (実勢価格 約6,000円)
・VGA15KHz入力付きPCtoJAMMAアダプターカード(当店にて¥9,698-)
・HDMI-VGA変換ケーブル(約800円〜 Amazonだとこの辺でOK)
・VGAケーブル (普通のアナログD-Sub15ピンケーブル。Amazonで600円位)
あとは適当なUSBキーボード、ラズパイを動作させるためのMicroSDカードや、USB給電用の5V 2.5A級のACアダプタ(約1,000円)なんかも必要です。
ハード的なものは基本これだけで大丈夫です。
概要を説明すると、「VGA15KHz入力付きPCtoJAMMAアダプターカード」をJAMMA筐体に挿し、USBとVGA入力をラズパイに接続、これにより2レバー12ボタン(かな? 今回は8ボタンまでしか試してませんが)の快適操作、ブラウン管にはクッキリとネイティブ15KHzの画面が表示される仕組みです。
このJAMMA仕様のカードは、VGA3段コネクタに15KHz近辺の映像信号を入力し、そのまま出力します。ゲイン調整などもあり、クリアな画質も売りの様子。
JAMMA筐体側のスピーカーから音を出したい場合は、音声入力に3.5mmケーブルを接続することで対応できます。ボリューム調整もあるヨ。
でも、ラズパイ側はHDMIやステレオピンジャックからステレオ音声出力ができるので、今回はそっちを使います。
さて、ここで皆さんが不思議に思っている事があるかもしれません。
先に触れておくと
Raspberry Piは、普通に15KHzでの映像出力が可能です
HDMIなのにそうなの? と思われる方も多いかもしれませんが、ハード的には何の追加ハードを使わずとも最初から15KHzでのHDMI出力が容易となっています。GPIOに接続するアダプタ類も不要です(当店ではPi model 3B+,Pi4で動作を確認しています)
動作OSがRaspbianの場合、具体的にはconfig.txtを編集することで、320x240pixel、15KHzの映像出力ができます。HDMIを安価なD-sub15ピン変換アダプタでアナログRGBに変換するだけで、上記のJAMMAアダプターカードに接続して、筐体の画面に表示できます。
Raspbianといえば、そう。RetroPieが採用しているOS。つまりは手持ちの家庭用CD媒体のタイトルを変換したり、豪の者は手持ちのアーケード基板のROMを吸い出して、エミュレーションで動作させることも可能なわけです。
まずは接続だッ
全体の接続イメージはこんな感じです。テキストだとちょっと分かりづらい?
ケーブルこそ取り回す形となりますが、ハンダ工作が一切不要で簡単な点が好印象です。
JAMMA筐体(アストロシティ)
↑JAMMA
→→VGA15KHz入力付きPCtoJAMMAアダプターカード
↑ ↑
↑ D-Sub15ピンケーブル
↑ ↑
↑ HDMI>アナログVGA(D-Sub15ピン)変換
↑ ↑
USBケーブル ↑
↑←Raspberry Pi
簡単とはいえ、最初はHDMI環境でRaspberryPiをセットアップする必要があります。RetroPieであれば、最初にゲームが立ち上がるところまでは事前に設定しておきます。
設定完了後にターミナル、もしくは他のマシンからSSHでRaspberryPiにログインして、Raspbianのconfig.txtを編集します。具体的には以下右側の行を挿入し、重複する項目は#でコメントアウト、上書き保存します。
以下のconfig設定は RetroPie4.x系統/RaspberryPi3 model B+まで のものとなります。Pi4以降は設定方法が異なりますのでご注意ください。(現在出荷している商品には、RaspberryPi4用のconfig.txt記述例を説明書に記載しております。当店ではRaspberryPiの設定方法などは一切サポートしておりませんが、以前に購入された方で config.txt記述例をご希望の方は、メールでご連絡ください)
シャットダウンしてからアストロシティ筐体に接続。そのまま電源を入れると…
ここではRetropie構築の詳細は割愛しますが、ちょっと癖のある設定さえ乗り切れば、あとは快適なゲーム環境が待っています。
フリー配布されている合法ゲームで動作を確認してみます。
Battle Kid 2: Mountain of Torment 公式サイトはこちら
nes用ソフトとして有志により開発され、ROMイメージの頒布が行われている本作は、デモ版(.nes形式のROMファイル)が公式サイトからダウンロードできます。
というわけで、Raspberry PiやPCなんかを手軽にJAMMA筐体と接続できる本カード、いかがでしょうか? 他にもラズパイJAMMA筐体化のアプローチは複数ありますが、この製品はいろいろ汎用的に使える点が魅力です。
ラズパイだけでなく、筐体に一般的なPCを接続したい人にも便利な構成ですね。普段と同じゲームでも、環境を変えてみると新鮮な感動があったりします。皆さんも是非お試し下さい。
コメント
お世話になってます。
ここで紹介された内容をSNKのNEO19筐体で実践してみたのですが、1P.2Pのレバーだけ設定が上手くいかず、1レバーで1P,2Pが同時に動いたりジャンプしたりしてしまいます(笑)
Retropie側の設定も色々見たのですが突破口も見えないのでこちらに連絡させてもらいました。
特別な設定がある様にも思えないのですが、もし思い当たる事がありましたらご教示頂けたら幸いです。
宜しくお願い致します。
内部で振り分けられるエミュレータによっても動作が異なりますが、RetroPieのメインメニューではなく、「RetroArch」のメニューから設定することで解決しませんでしょうか? まずはお試し下さい。
Retropieの設定は、それはもう本当に語りだすとキリがないほど項目が多いので、当店でも詳細なサポートは行っておりません。ご了承下さい。
返信ありがとうございます。
RetroArchの設定は既に色々と試しました。
Input設定で1P,2Pのレバー&ボタン割り当て出来ているのでPC TO JAMMA基板も正常動作していると思います。
1人用で遊ぶなら現状でも問題ないのですが…
RGBPIと言うラズパイをJAMMA化するものもあるみたいです。取り扱っていただきたいです。
レパイ、15khz出力は問題なし、USB接続でJAMMAのコントローラも認識しました。しかし、レパイのコンフィグ設定も、レバーボタンとも反応し確定するも、ジョイスティックの動作設定しか反映されない。そもそもジョイスティックはコンフィグするまえから、操作できていた感じです。なにか対処方法ないでしょうか?