当店のwebをご覧いただいている皆様の多くは、すでに自宅に基板を楽しむための環境一式(筐体やコントロールボックス)をお持ちだったり、かつて持っていたという方も多いかと思います。
いつの時代でも、自宅で手軽に基板を楽しむためのコントロールBOXは定番人気。アラフォー、アラフィフゲーマーの方なんかは
「やっぱKIC-045DXだよなー。キットで買うか完成品買うか悩むわー」とか
「KIC’S-91てのが出たぞ!」とか
「俺はSIGMA派!」とか
「-12V必要だと電源も買い足さなくちゃダメかー」とか
「KICの旧タイトーハーネスよりJAMMA直接つながるほうが良くね?」とか
「6ボタン対応のコントロールボックスに買い換えなくては!」とか
「もういっそのことエアロパネルで自作するのが良いかも」とか
「雷神買ったった!」とか
そんな青春を歩んできた方が多いのではないかと思います。
筆者は考え無しに(コントロールボックスより当時安かった)テーブル筐体からアストロシティを自室に導入へと茨の道を歩みましたが、普通に考えればコントロールボックスこそが、自宅基板環境の共通体験であると言えるはず。
基板リターナーな方にとっても、基板を手軽に自宅で動作させる環境は魅力的。また、自宅に筐体を持つ方々にとっても、居間でお手軽に基板を楽しめるようなセカンド環境は、もう何台あってもOK…のハズ!
そんなあなたにオススメなのが、当店でも大人気の簡易コントロールボックス「CBOXシリーズ」です。
うん、この記事は例によって販促記事なんだ。そんなに肩肘張らずに、お付き合いのほどお願いします。
CBOXとはなんぞや?
赤い基板が特徴の「CBOX/JAMMA BOX」は、中国TIME HARVEST社製のコントロールボックスで、小型で多機能な点が特徴です。
JAMMA基板、コントローラー、RGB(もしくはビデオ/S接続)モニタだけで手軽に業務用基板を家庭で楽しむことができます。
手頃な大きさで収まりがよく、必要な機能が盛り込まれているため、日本で業務用基板を嗜む個人ユーザーの方の間でも一定の人気がある商品です。
※デメリットもありますので、つつみ隠さず後述します
細かな派生モデルが多く、特徴が一見して分かりづらい点もあるため、当店ではいくつかに絞って常時在庫展開しています。
これまでのシリーズ展開(カッコ内の名称は当店通称)
【梅】基板むき出し。IDE電源タイプ。廉価な基本機種
当店では店頭のARCADE1UPをMVS筐体化する際にも使用しています
【竹】アクリルケース入り。セガサターン用コントローラーが使用可能
連射/ボタンコンフィグ機能、S端子&RCAビデオ出力搭載
2019年までの製品は全機種ネオジオ用コントローラーが使用可能、ACアダプタ動作で場所も取らない点が魅力で、組み込み用に使うのも良し、といった製品です。
ネオジオ用コントローラーは、結線が単純にボタン/レバーのスイッチON/OFFとなっているため、コンパネ自作などにも最適。D-sub15ピン2段のコネクタ入手の容易さも相まって、海外のコントロールボックス(Supergun)界隈では、ネオジオ互換ポートの採用は一般的となっています。
本来の家庭用ネオジオコントローラーは1レバー4ボタン+START、SELECTという仕様ですが、海外製品にありがちな独自拡張で5,6ボタンにも対応しています。もちろん家庭用ネオジオコントローラーは4ボタンとしてそのまま使用可能。
【梅】と【竹】はセガサターン互換のRGB出力コネクタ(ミニDin)を備えており、ケーブルがそのまま流用できる点が魅力の一端でした。ところが該当ミニDINコネクタの調達が難しくなったのか、それとも新たな需要喚起か、2019年後半からマイナーチェンジモデルに切り替わります。
—– ここから
【梅ダッシュ】【梅ダッシュプラス】プラスはACアダプタ仕様
【竹ダッシュ】RGBコネクタ以外は竹と同等
RGB出力コネクタがネオジオ互換のDIN8ピンに変更されています。
さらに
【松】-5V対応で多くの基板が動作。S/ビデオに加えコンポーネント出力搭載
【スーパー松】上記に加え5V電圧調整、V-POS/H-POS調整機能搭載
の強化モデルも登場。ただし松系統はRGB出力が欧州規格のSCARTのみでケーブルは付属しませんので要注意。
…と、一部の基板クラスタの方々には分かりやすい通称で分類したつもりでしたが、ストII系進化が体に染み付いている方以外には「さっぱり分からん」というご指摘も頂きましたので、今春の新モデルはそのままの表記に切り替えました。他に適切な通称をつけにくいという事情もありますが
・CBOX USB Ver1.0 梅後継。USBコントローラー専用
・CBOX USB Ver2.0 竹後継。USB&ネオジオ互換コントローラー端子
・CBOX USB Ver3.0 松後継。USB&ネオジオ互換コントローラー端子
RGB出力コネクタは、まさかのメガドライブ2互換!
MD2(MD1+32Xでも可)互換RGBケーブルセットでお買い得です
—– ここまで
現在は(—–ここから —–ここまで)のモデルが現行機種です。
USBコントローラーはPS3/XBOX360用純正有線コントローラーなどがそのまま使用できます。上位機種はネオジオ用も使用できるため、自作派や過去資産を使用する方も安心。より手軽になりました。
ただし、セガサターン用コントローラーを使用可能な【竹】【竹ダッシュ】【松系統】は連射機能の切り替えやボタン配置の変更ができますが、USBシリーズはその機能が削除されています。この辺はお好みでどうぞ。
ということで、機能別に一覧表にまとめた画像が以下のようになります。
(大きな画像は製品購入ページからポップアップで表示が可能です)
デメリット…とは?
さて、そんな魅力的な製品に見えるCBOXシリーズ。あえて弱点も記載しておきます。
【電源には要注意!】
中国の懐の広さは良く言えば適当、悪く言えば規格守る気ないよね的な何かで成り立っているため、直輸入とかすると間違いなく「日本で販売することが許されていないハズのACアダプタ」がセットになっていたりします。
PSEマーク? ノイズ? なにそれ食べ物ですか? と惚けることは販売店的にはできませんので、当店ではPSEマーク付きの国内仕様ACアダプタをセットにしています。(アウトレット品でサービス扱いとなります)
当店でサービスしているACアダプタの電源容量は12V 5Aクラスのため、大電力を必要とする古い基板やヘビークラスのタイトルでは、安定動作しない場合があります。CBOX自体は12V 8AクラスのACアダプタでも動作しますので、環境によっては別途ACアダプタを用意する必要が出てきます。
・下位モデルは+5V、+12V動作のみ。-5Vはありません
比較的最近(というには微妙ですが90年代以降とか)の多くの基板では問題はなかったりもしますが、-5Vが必要な基板を使用する場合は【松】【スーパー松】【USB Ver3.0】のいずれかを使用して下さい。
-5Vが供給されない場合、音が出ないだけで動作する基板もありますが、オススメできません。
とはいえ-5Vが出力されないモデルでも、MVSや軽めの基板を居間のテレビでまったり楽しむ、といった用途には最適だったりするので、安価な下位モデル群も重宝すること請け合いです。
・弱点ではないけど、怪しい中華基板の利用について
まともな基板屋としてはこの話題に触れるのはタブーではあるのですが、トラブル事例があるために、あえて注意喚起をこちらで。
いわゆる中華xxx inの「Pandora基板※」なども利用可能ではありますが、それらの基板の中には、日本仕様のNTSCに準拠していない出力特性を持つものがあります。
RGB接続時に60Hz出力の基板の場合は、特に問題なく映ったりもするのですが、接続機器の認識では「PAL-M」(PALの60Hz出力)になるものもあります。そのような基板ではRGB接続時は問題なくても、CBOXのコンポジットビデオ/S端子出力などでも日本仕様の一般的なテレビに映すことはできません。
またそれらはRGBからHDMIに変換する際などでも、うまく映らないことがあります。
さらに近年のPandora基板では、電源やコントロール系はJAMMA接続されているものの、映像出力はJAMMAに配線されていないものが増えており、最初から15KHz環境を前提としていません。
「コンポジットビデオ出力できないんですー。不良?」というお問い合わせの前に、普通の基板で動作をお試し下さい。
JAMMA拡張での4.5.(6)ボタン接続など、中華製が故にある意味親和性が高いCBOXシリーズではありますが、それ系の質問はご遠慮いただけますと…幸いです。
※この種の非合法基版に関しては動作保証外となりますので、お問い合わせはご遠慮下さい
・当店では全数検査してから販売しています!
逆に言えば、全数検査しないと…
中華基準では「アイヤー! 100個中20個が初期不良? なら送り返して(1ヶ月)検査して(2ヶ月)、良品送るよ(1ヶ月)。ネジが足りない? …そんなもんアルよ」とかになっちゃうんですよ(個数、初期不良率などは例え話であり具体的な数値ではありません)
数台を個人輸入して転売してウハウハでは!? なんて考えた時期が僕にも一瞬ありました。
輸入商材はクオリティ管理が超重要です。
中国製品は、中国人のバイヤー経由や輸入実績の積み上げがないと、問題が山積みなのです。
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